御嶽山噴火

今年の夏は雨が多かった。お盆の期間中もほぼ雨の予報だった。しかし、かろうじて8月13日だけ晴れるとの予報。山へ行きたい!私は朝4時前に家を出て車を走らせた。向かった先は王滝村。そう、御嶽山の登山口のある長野県王滝村だ。

3000m級の山でありながら日帰り可能な山、御嶽山。一日だけしか晴れ間が見込めない時にはうってつけの山だ。登山口近くの田ノ原駐車場は8時前でもう満車状態。かろうじて端っこに車を止めて、登山開始したのは8時15分頃。

いい天気だった。薄い酸素に息を切らしながらも頂上の剣ヶ峰に着いたのは11時半頃。御嶽神社社務所前のスペースは登山客でいっぱい。私は社務所の北側、ニノ池が眼下に見える岩場に腰を下ろして昼食のおにぎりを頬張った。

食べ終わって、社務所付近に戻り、「さっきも写真撮ったけどもうちょっと写真撮っておこうかな」と何枚か写真を撮った。

写真を撮り終え、下山開始したのがが12時頃。

念のためもう一度書いておくが、これは8月のお盆休みのお話。

もしあの日、9月27日に、上記と全く同じタイムスケジュールで登っていたとしたら、私はまさに噴火時刻(11時52分)、頂上の神社付近にいたことになるのだ。正直、ぞっとした。

夏に登ったとき、御嶽山が噴火する可能性なんてみじんも考えていなかった。八丁ダルミ付近で硫黄臭を感じたときに、ああ、ここは火山なんだなあと感じたくらいで。(これは別に噴火の前兆というわけではなく、いつものことらしいが)

その後、9月12日頃だったか、Yahoo!のヘッドラインに、御嶽山火山性地震の回数が増えているというニュースが出ているのを見てびっくりして、「え?そうなの?それじゃ御嶽山しばらく登らない方がいいかもなあ」と思っていたところだったのだ。

紅葉時期。
土曜日。
晴天。
昼食時。

最悪のタイミングで御嶽山は噴火した。せめて火口付近立ち入り禁止にしておけば少しは被害を減らせたのではないかと思う。結果論かも知れないが。

東海地方からも多くの犠牲者が出ており、本当に他人事とは思えない災厄。

生死を分けたのは運によるところが大きいと思う。しかし案外年配の方の死者が少ない印象。テルモスおばさん(社務所の庇の下に逃げてザックを頭に乗せた、ザックの中のテルモスが潰れてた、と語ってた方)のように、とっさの時の知恵がすぐ浮かぶかどうかという点で、人生経験豊かな方のほうが多少有利だったのかも知れない。

もし自分がその場にいたとして、とっさにそういう行動を取れたかどうか、自信ないなあ…。

災害に遭われた方々に心よりお見舞い申し上げ、亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。そして今日現在行方不明の方がまだ12名。一刻も早く発見されますように。